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理系大学生のつぶやき

某国公立大学 工学部 化学系に所属する理系大学生。日々考えたり感じたこと・勉強方法のコツなどつぶやいていこうと思います。

実験レポートの書き方〜考え方とコツ〜

大学に入ると、理系学部では学部1年生から授業の一環として「学生実験」があります。

化学・物理・生物・地学などの分野に分かれて実験指導書に基づいて実験を進めていきます。

 

実験をしているときは、目の前で起こる現象に興味を惹かれて「楽しい」と思う人が多いとは思います。

 

しかし、問題は実験後に提出しなければならないレポートの存在です。

これがまた非常に厳しく、つらいものなのです。

 

 

私の所属する大学では「すべてのレポートを手書きで書く」ことが義務付けられていました。

また、決まった形式に基づいて書く必要があり、形式が正しくないと受理してもらえませんでした。

 

実験によっては数十ページほど書かねばならないものもありました。

ですので、理系学生は毎日毎日図書館にこもって必死でレポートを書いています。

 

 

レポートの書き方は様々ありますが、大まかに分類すると以下のように項目分けされます。

 

①実験の目的

この実験がどのようなことを目的にしているのか記載します。

実験指導書にも一応は書いていますが、なるべく自分の言葉で内容をまとめましょう

 

②原理・反応機構

実験がどのような原理・反応機構に基づいているのか記載します。

装置の仕組みや反応機構は実験開始前になるべく調べておく方が、実験中に理解がより深められます。

特に反応機構は指名されて実際に書かされることもあるので、予習が肝心です。

予習中に気づいたことがあれば、参考文献を調べてメモを取っておきましょう

 

③実験操作

 この項目は、後で誰が読んでも追試ができるようになるべく詳細に記載する必要があります。

(ⅰ)器具・機器

どのような器具・機器を使ったのか記載します。

器具であれば、25mL メスピペット 3本

のように、容積・器具の種類・本数を書いておきましょう。

機器ならば型番と装置の精度、簡単な構造を記載しましょう。

 

(ⅱ)試薬

実験でどのような試薬を使ったのかを記載します。

試薬の名前、化学式、式量、密度、特性などはあらかじめ調べておき、実験に臨みましょう。

レポートには、

硫酸マグネシウム五水和物(MgSO4•5H2O,210.37,2.65g/cm^3,乾燥剤)

などというように書いておくとわかりやすいです。

 

(ⅲ)操作手順

これは実際に自分が実験中にやった操作を書きます。

報告書なので、かならず過去形で書き終えるようにしましょう。

実験指導書に書いてある操作と実際の操作が異なることもありますが、この場合は自分がした操作を書きましょう。もしやってもいない操作を書いてしまうと改ざん扱いされます…。

 

④実験結果

実験で得たデータや生成物についての測定結果を示します。

これも過去形で書くことが基本です。

実験中に得た物質の外見的な特徴や収量・収率、融点など、どんなに些細なことでも観察したことは書いておくようにしましょう

 

実験ノートに実験中に考えたことや観察記録を詳細に書くように心がけておくと、レポートを書くときに楽になります。

 

⑤考察

 実験で得た結果について、どうしてこのような結果になったのか、科学的に議論をする項目です。

「考察ってどうやって書くのだろうか…?」

学部1回生はかなり悩みます。

 

例えば、以下のような例はどう思いますか?

(例)Grignard試薬を利用して、安息香酸メチルと反応させて第三級アルコールを合成する実験を行いました。収率は25%で、得られた結晶は白色でした。また、融点は50~55℃(本来は160℃の融点を持つ)でした。

この実験に対してAさんとBさんがそれぞれ考察を書きました。

 

A:収率は25%と予想より低い値だった。また、融点が文献値からずれていた。理由は実験操作のミスによるものであると考えられる。次回の実験では気を付けようと思う。

 

B:本実験の反応機構を考えると、反応においてベンゾフェノンが反応中間体として得られることが分かる。したがって収率が低下したのは、中間体の状態からもう一段階反応が進まず、目的物が得られなかった可能性があることが原因として考えられる。融点が文献値からずれていたことも、本実験で目的物以外の副生成物が同時に存在していたことを示す根拠である。2段階目まで反応が進まなかった理由としては・・・。

 

 

 

 

 

 

明らかにBさんの方が考察としての評価は高いです。

考察は感想を書くのではなく、「どうしてこのような結果が得られたのか」を科学的に考える部分なのです

したがってAさんのような考察を書いていると評価が著しく低くなります。

 

レポートではこの項目が重視されます。(しっかり書いておくと評価は高いです。)

毎回この内容を書くためにどれほどの時間を費やしたことか…。

 

 

しかし、これがかなり難しいのです。

 

先生方から何を書けとは言われず、自分だけで考える必要があります。

明確な答えなどはなく、「何を書くか」ということからのスタートです。

 

では、何を書けばいいのか

 

これにはいくつかコツがあるのですが、

少々長くなりそうなので、これは次の機会にでも書こうと思います。

 

⑥参考・引用文献

原理・反応機構や考察を書くときに参考にした文献があれば記載します。

代表的な引用方法としては、引用部分に番号を振り、

この項目のなかで

 

[1] 作者、文献のタイトル、発行年月日、引用ページ番号

というように書きます。

 

引用したところが少しでもあれば必ず番号付けをするようにしましょう

番号付けを怠ると盗用・剽窃とみなされる場合があります。

 

 

今回は実験レポートの書き方についていろいろと話してきました。

様々なルールこそはありますが、基本は自分の考えを示すためのものです。

時間をかけて仕上げた分、のちのち自分の力になっていく財産にもなります

 

ですので、「たかが課題でしかない」と割り切ることはやめましょう。

 

 

 

じっくり時間をかけて実験と向き合ってみてほしいです